曹 操 卑劣なる聖人 第一巻
●2019年11月刊行
王暁磊[著] 後藤裕也[監訳] 岡本悠馬[訳] 四六上製 524頁 2,640円(税込)
ISBN 978–4–910112–00–8
策謀に秀でた政治家、『孫子の兵法』を駆使した軍人、雄心を壮大に謳い上げた詩人……。
後漢末の乱世に、中原を制し、皇帝を擁して天下に号令した曹操には、多面的な姿がありますが、本シリーズ『曹操 卑劣なる聖人』(全十巻)は、それをあますことなく描いた歴史小説です。
第一巻は、曹操が悪ガキだった12歳からはじまり、“腐れ宦者の筋”と揶揄されながらも、「治世の能臣」となっていく20代前半までを描いています。
曹嵩、夏侯惇、卞氏、袁紹、鮑信をはじめ、何顒、橋玄、許劭、王甫、秦宜禄といった人物が登場します。
第一章 突然の政変
桓帝の崩御 曹嵩の憂い 張宅にて
深夜の騒擾 一族の異端者
第二章 帰郷
孝道を修め直す 子供の戦い 腕試し
第三章 四年ぶりの帰洛
醜悪なる一族の歴史 土地争い 洛陽への帰還
第四章 袁紹との出会い
俗務が妨げる夢 同病相憐れむ
臆病神に憑かれた者ども
第五章 決死の救出
何顒の捜索 兵法談義 袁家での出会い
第六章 父の計らい
王甫に賂す 兄弟の帰郷
第七章 仕官前夜の人殺し
桓家の宴 美女を救う
第八章 官となる
洛陽北部尉 曹熾の訓戒 閑職 人質事件
第九章 このうえない導き
曹家からの言祝ぎ 野駆けにて賢人に会う
第十章 洛陽で名を馳せる
不逞の輩を叩き殺す 許劭に詭計を弄す
第十一章 都を逐われる
勇猛なる鮑信 思いがけない災難
曹嵩の来訪 橋公との別れ
第十二章 赴任途上の危機
厳寒の旅路 黄河対岸の危機 桑畑の賢人
第十三章 職務に励む
難事件を裁く 詔に背く
第十四章 一門免職
頓丘を去る 賢者を桑畑に葬る
第十五章 曹家の没落
物言わぬ帰郷 夏侯家との縁組み
第十六章 皇帝のひと声で返り咲く
家名を挙げる 曹胤の死
皇帝からの召し出し 悲喜こもごも
主な登場人物 主な官職
後漢時代の地図 後漢時代の司隷の地図
後漢時代の冀州、青州、兗州、豫州、徐州の地図
王
暁磊(おう
ぎょうらい)
歴史作家。中国在住。『後漢書』、『正史
三国志』、『資治通鑑』はもちろんのこと、曹操に関するあらゆる史料を10年以上にわたり、まさに眼光紙背に徹するまで読み込み、本書を完成させた。曹操の21世紀の代弁者を自任する。
後藤裕也(ごとう ゆうや)関西大学非常勤講師。著書に『武将で読む三国志演義読本』、『語り物「三国志」の研究』、『中国古典名劇選Ⅱ』、『中国古典名劇選』などがある。
岡本悠馬(おかもと ゆうま)鍼灸養気院副院長、翻訳家。共著に『キクタン中国語【上級編】』、共訳書に『海角七号君想う、国境の海』などがある。